過去20年の研究活動を回顧して  2010/12/1

研究委員 高山雅司

 DRCは創設以来20年を越えた。この間、法人改革、資金調達等多くの難問に直面したが、創設者である上田愛彦会長の長年にわたる献身的な努力と積極的で前向きの姿勢が、これらを乗り越え現在も活動を継続でき、研究員の数も増えている。国際安全保障データ、中国・朝鮮半島・ドクトリン等については定期的・継続的な研究が続いている。防衛省、外務省、経済産業省等からの委託研究は毎年10件近くあり、これらの成果及びデータの蓄積は貴重な財産である。外国の研究機関、特に米国のパイパー研究所、ハワイのアジア太平洋安全保障研究所、韓国の21世紀軍事問題研究所等との定期研究交流は特筆されるものである。陸上自衛隊幹部学校高級課程学生、自衛隊からの研修生、一般大学生有志の教育、防衛省の懸賞論文への協力などの幅広い業務が挙げられる。また防衛に関する多数の著作を出版してきた。この20年間の幅広い確実な成果と信頼される実績は貴重である。

 日本の安全保障と防衛政策があるべき姿から大きくかけ離れていると認識し、それを他国との比較であるべき姿を探求し改善に協力する目的がある。旧軍の世代の人ができなかったことを我々の世代でやろうとの考えは意気投合できた。まずは外国の特に米国の現状から勉強し、教訓・知恵を取り出し、それに今までの我々の知識と経験で論陣を張ってきた。100回を越える海外研究の結果得られた知識と体験は貴重なものである。特にミサイル防衛についてDRCは早くから注目し、防衛省が動く前から米国のミサイル防衛庁を毎年のように訪問し連携を深め防衛庁をはじめ関係機関にその実情と重要性について年報や会誌で議論を展開した。北朝鮮の核兵器と弾道ミサイルの脅威が増大する中で、その必要性が日本政府にも認められ、現在、海上自衛隊のイージス護衛艦がすべてミサイル防衛能力を装備し航空自衛隊のペトリオットPAC3の装備が逐次進められ日本のミサイル防衛能力が現実のものとなりわが国の抑止力を高めていることは1992年頃からの我々の主張が実現したことを意味し、このことは嬉しいと同時に誇りに思う。

 私も自衛隊退職後、DRC研究委員として海外調査に参加し、米英独仏露中韓台湾など20数カ国を訪問しその国の防衛関係者と意見を交換する貴重な機会を得ることができた。今までの研究の結論は日本の防衛態勢はまだまだ不十分であり、やるべきことが多くあることである。初めは齢70代には終わると思われた研究作業もまだまだ継続できそうである。外国に行くと、中露を除けば日本の評判はよく日本に期待していることを実感した。今後も日本のために世界の平和のために、後に続く後輩のために何らかの貢献ができるような研究成果をあげたいと願っている。

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